実践例:紙を破いてしまう

実践例:紙を破いてしまう

ワークシート1:(基礎情報)

おわかりになる範囲でご記入ください。

年齢 7歳
性別
診断名 自閉症
所属 特別支援学級
知能検査 検査名 田中ビネー式知能検査V
検査結果 精神年齢 3歳2ヶ月
特徴 2語文程度の言語理解が可能。1語文程度の言語表出もあるが、他者に対して要求がある場合には、他者の手を引っ張るなど言葉で伝えないことが多い。感覚遊びが好きで、自ら進んで他者と関わることは少なかった。独語も多く、突然笑い出すこともあった。

 

ワークシート2:(MASDurand とCrriminsが1988年に発表した、行動問題の機能を探るための質問紙。16の質問項目からなり、7段階のリッカートスケールで評価を行う。評価の結果をもとに、物や活動の獲得要求、注目要求、逃避要求、感覚要求の4種類の機能のいずれが当該行動の機能である可能性が高いのか、推測することができる。主観的な評価ではあるが、信頼性や妥当性が確認されている。

お子さんの 紙を破く という行動についてのMASの採点結果

感覚要因 逃避要求 注目要求 物や活動の要求
1. 2. 3. 4.
5. 6. 7. 8.
9. 10. 11. 12.
13. 14. 15. 16.
合計= 16
平均点= 0.25 1.75
順位=

ワークシート3:(行動問題の特徴)

1. その行動はいつ起こることが多いですか? 1日中
2. その行動はどこで起こることが多いですか? どこでも
3. その行動は誰に対して、あるいは誰と一緒のときにおこることが多いですか? 誰でも
4. その行動は何歳くらいから始まっていますか? 3歳くらいから
5. その行動はどのくらいの頻度で起こりますか?
(たとえば、1日に2,3回、1時間に1,2回、1週間に1,2回など)
紙がそばにあればずっと。
6. その行動はどのくらいの強さで起こりますか?
(たとえば、隣の部屋に聞こえるくらいの声、叩いたところが青くなるくらいの強さなど)
紙を破ける限り破りつくす。
7. その行動が起こっている様子を具体的にご記入ください(「他害」というのではなく、頭を自分のこぶしで叩くなど) 紙を両手で破く。
8. その行動に対して、どのように対応しますか?
該当することに○をしてください
放っておく・要求しているものを渡す・好きなことをやらせる・その場から離する・注意する・クールダウンのための手続きをとる(具体的には  )・その他(「紙を破きません」と注意する。)
9. その行動は上記の方法で収束しますか? しない。注意した相手を見ながら「破きません」と言いながら、さらに紙を破く。
10. その行動はどのくらいの時間続きますか? 紙があり続ければずっと。
11. その行動と関連していると思われる項目があれば、○をして具体的に記入してください。 なし
12. お子さんが特に興味や関心の高いことは何ですか?また、こだわりはありますか? 特になし
13. お子さんが苦手なことや嫌いなことはどんなことですか? 特になし
14. お子さんの主となるコミュニケーション手段は何ですか? クレーン・言語
15. 左記の項目において、お子さんの好きなことがあれば、具体的にご記入ください。 遊び(風船遊び                )
キャラクター(                     )
歌手(                     )
食べ物(                     )
趣味(                     )
その他(                     )
16. お子さんが人とのかかわりで喜ぶことはどんなことがありますか?先の項目において該当することがあれば具体的にご記入ください 拍手・頭なで・ハイタッチ・握手・くすぐりなど
遊び(風船遊び                     )
賞賛(                         )
お手伝い(                       )
儀式的なやり取り(                 )
お出かけ(ドライブ                 )
お小遣い (                     )
その他(                        )

ワークシート8:(頭の中のアセスメント)

ワークシート8:(頭の中のアセスメント)

ワークシート9:(ABC分析)

行動問題の直前に起こっていることをきっかけの箱に、具体的な行動を行動の箱に、行動の直後に起こった結果あるいは周囲の対応について結果及び対応の箱に記入しましょう。ほかの人がみても書いた人と同じことを思い浮かべることができるように書くことが大切です。行動問題が起こる状況がたくさんある場合には、必要に応じて、箱を増やしてください。

きっかけ 行動 結果および対応
することがない。
紙がある。
紙を破く 紙を破くの楽しい
きっかけ 行動 結果および対応
周りに人がいる。
紙がある。
紙を破く 周りの大人が慌てて止める姿がおもしろい

支援計画

支援方針

  1. お手伝いなどできることを増やす。
  2. 紙を破かなかったら、風船遊びする、紙を破くと風船遊びではなく作文をする。このことを、ルールカード(資料)を用いて教える。
  3. 紙を破いた時には、慌てずに落ち着いて対応する。
1に対するアプローチ
きっかけ 行動 結果および対応
「お手伝い」をしてと言われる。 お手伝いをする 褒められる
することがあってひまじゃない
2に対するアプローチ
きっかけ 行動 結果および対応
ルールカードがある。
紙がある。
勉強をする 風船遊びができて楽しい
3に対するアプローチ
きっかけ 行動 結果および対応
周りに人がいる。
紙がある。
紙を破く 大人が慌てないから楽しくない。

ポイント

  1. できる行動が増えると、問題行動も減っていきます。学校では係活動、お家ではお手伝いなど子どもの発達に配慮しながらできる行動を増やしていきましょう。
  2. 紙を破かなかったら、風船遊びができることを子どもにわかりやすいように伝えることが大事です。今回は視覚的に分かりやすいようにカードにしました。破いた時には、マグネットでくっついている紙を破かないカードを取り、「紙を破いたので、風船はやりません。」と言って、風船カードを取って、「作文をやります」と伝えるようにします。
  3. 紙を破いてしまったときには、落ち着いて対応することで、紙を破いてもちっともおもしろくないようにします。

資料

ルールカード

資料:ルールカード

資料:ルールカード